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デジタル配信
DREAM ON (Studio Live ver.)
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デジタル配信
Moonlight (Studio Live ver.)
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<初回生産限定盤 (CD+DVD)>
<通常盤 (CD Only)>
2nd アルバム
「LOOP」
2018.07.25 Release!!
初回生産限定盤 SRCL-9877~9878 CD+DVD ¥3,518+税
通常盤 SRCL-9879 CD only ¥2,778+税
【CD】
- DREAM ON
- COFFEE
- Moonlight
- エトランゼ
- MANUAL
- Distance
- Venus
※テレビ朝日系木曜ミステリー『科捜研の女』シーズン17 主題歌
- OKINAWA SUMMER STYLE
※RBC「Aランチ」エンディングテーマ
- ENEMY
- この闇を照らす光のむこうに(“LOOP” Ver.)
- Beautiful
※TVアニメ『七つの大罪 戒めの復活』エンディングテーマ
- 北斗七星
【DVD】
Music Video
- MANUAL
- Beautiful
- Venus
- 北斗七星
- MANUAL (“LOOP” Ver.)
“LOOP” 全曲レビュー
めざましい成長と、新境地を切り拓いていく旺盛な意欲に満ちたアルバムだ。Anlyの2ndアルバム『LOOP』の全12曲は、彼女の様々な側面が刻み込まれた、とても多面的な楽曲群になっている。
エド・シーランに触発されループペダルを導入したことで広がった音楽性。ルーツであるヴィンテージなロックやブルースだけでなく、海外のプロデューサーやトラックメイカーとのコラボで吸収した現代のグローバルなポップ・ミュージックの潮流。そして沖縄の伊江島に育ったというアイデンティティ。サウンドだけでなく、言葉や歌の表現も、等身大の思いから壮大な世界観まで幅広い。
その多面性を全曲解説の形で読み解いていく。
M1. DREAM ON
ポストEDMやオルタナティブR&Bのテイストを感じさせる洒脱なサウンド、肩の力の抜けた自然体の歌声、リズムに絶妙に乗っかり歌とラップを行き来する歌声と、1stアルバムとは大きく変化したAnlyの音楽的な成長がありありと表れた一曲。トラックを手掛けたのはロサンゼルス在住の気鋭の若手プロデューサー、Juan Ariza。「Believe in me. Believe in you」という歌詞の部分でヴォイスシンセのコーラスが重なるところが特にいい。「旅行サイト眺めていたの 二人で 箱根とかね いいね」「いつか買いたい 最新型のドラム式」「建てましょ 伊江島にスタジオ その隣りにパパとママの小さなCafeを」と、近いものから遠いものまで夢を並べた等身大の歌詞もいい。
M2. COFFEE
高校時代にエド・シーランの影響でループペダルを用いた演奏へのチャレンジを始めたというAnly。デビュー以来のバンドスタイル、弾き語りスタイルに加え、今年に入ってからはループペダルスタイルのライブ活動も本格的になってきた。そこから見出した新たな音楽性を詰め込んだのが『LOOP』というアルバム。そして、その変化の象徴となるの一曲がこの「COFFEE」だと思う。跳ねるビートと繰り返すギターフレーズを骨格にした曲なのだが、そのことによって歌の表現方法も変わってきているのがとても興味深い。語感でリズムを作っていくフロウで、エド・シーランやドレイク以降、海外の音楽シーンではポップ・ミュージックの主流の一つになっているラップと歌が同居するスタイルのヴォーカルになっている。
M3. Moonlight
アコースティックギター1本で始まる「Moonlight」も、ループペダルの導入から広がったこのアルバムの方向性を象徴する一曲。サウンドプロデュースは「DREAM ON」を手掛けたJuan Ariza。他にも「COFFEE」、「ENEMY」を手掛けている彼は今作の影の立役者の一人かもしれない。「車の中でくるまる 君の腕の中」と、恋人同士の深夜のドライブを描いたこの曲。情熱的なメロディと積極的な女性像に、ラテンのテイストが効いている。「La pa pa pa もう邪魔だわ」と歌うところのリズムがすごく気持ちいい。
M4. エトランゼ
やはりループペダルのスタイルだからこそ生まれたタイプの一曲。ギターフレーズにビートを重ねていく構造の曲なのだけれど、この曲もラテンのテイストがポイントになっている。とは言っても本格的なラテンというわけでなく、どこか無国籍な異国情緒を漂わせるダンスナンバーだ。
M5. MANUAL
理不尽なルールを生徒に押し付ける、いわゆる“ブラック校則”をテーマにした一曲。「証明書がいるだとか 冗談もほどほどにして欲しい」と、実体験をもとにしたストレートな言葉が書かれている。締め付けられることへの反感だけでなく、多様なアイデンティティを歌い上げることに繋がっているのが、今の時代らしいと思う。そして、こういうタイプのリリックも、ループペダルを用いたことでラップ・ミュージックに近づいたAnlyの新しい音楽性に上手くハマっている。
M6. Distance
ロンドン出身でロサンゼルスを拠点に活動するのシンガーソングライター、メイジー・ケイとのコラボレーションによって生まれた一曲。なので、ループペダルの導入から生まれたアルバム前半の曲とは違う作られ方の曲になっている。1番をメイジー・ケイが英語で、2番をAnlyが日本語で歌い、サビでは二人がコーラスを重ねるという国際色豊かなコラボなのだが、楽曲自体はサビのコード進行などアルバムの中でもいわゆるJ-POP色が最も強いものになっている。
M7. Venus
テレビドラマ『科捜研の女』の主題歌として書き下ろされたシングル曲。8分の6拍子のリズムに乗せて力強く歌い上げるミドルテンポのバラードナンバーとなっている。なので、この曲もループペダルをベースにしたアルバム全体のテイストからは、いい意味で浮いている。歌い方も自然体で親密な「DREAM ON」や「Moonlight」とは違って力強く情感がこもっている。彼女のソングライティングの幅広さを感じさせる。
M8. OKINAWA SUMMER STYLE
曲名通り沖縄で過ごす夏の情景を歌った、ハッピーなサマーチューン。基本的には浜辺を舞台にしたラブソングなのだけれど、「Tシャツに島ぞうり」というスタイルだったり、二人っきりかと思いきや友達が集まってビーチパーティーになったりと、沖縄らしさ満開の歌詞になっている。ダンスホールレゲエのビートに中盤で島唄の掛け声が入ってくるあたり、音楽の無国籍な“チャンプルー”を感じる。
M9. ENEMY
ループペダルのスタイルの曲の中でも、彼女自身が敬愛するエド・シーランの影響を最もストレートに感じられるナンバー。シンプルなギターフレーズにシンセが絡み合う、ファンキーかつエモーショナルな曲調だ。「Enemyはいつも 真夜中のロンリーガールの心の奥に 忍びこんでは 悩みの種を植えつけようとするの」という歌詞も、日々の葛藤を吐き出した等身大のものになっている。「さとり世代とか実はダサい」というフレーズがいい。
M10. この闇を照らす光のむこうに (“LOOP” Ver.)
TVドラマ「視覚探偵 日暮旅人」のエンディングテーマとして「Anly+スキマスイッチ」名義でリリースされた「この闇を照らす光のむこうに」の"LOOP"バージョン。スキマスイッチとの共作によって生まれた同曲は1stアルバム『anly one』にも収録されているが、豪華なオーケストレーションと力強い男女ハーモニーが聴き所になっている原曲に比べて、こちらはループペダルのスタイルでシンプルに削ぎ落としたアレンジ。YouTubeに公開されている弾き語りの「Acoustic Ver.」とも違い、シャッフルビートとアコースティックギターのフレーズを軸にした洒脱なサウンドが展開する。J-POPとして作られた楽曲がグローバル・ポップのテイストに換骨奪胎されている。
M11. Beautiful
TVアニメ『七つの大罪 戒めの復活』のエンディングテーマとして書き下ろされたナンバー。フィドルやティンホイッスルなどを用い、アイリッシュ風のサウンドを取り入れたものになっている。異世界ファンタジーなアニメの世界観に通じる壮大な曲なのだが、歌声もそれにあわせて幻想的な風合いになっているところに、彼女の表現力の幅広さを感じる。ただ、アルバムを聴く限りでは「自分自身が表現したいものを形にするクリエイティブ」と「タイアップで求められるお題に応える形でのクリエイティブ」がそれぞれ独立している印象もあるが、この先、それが絶妙なやり方で重なり合ったときに、Anlyのアーティストとしての扉がまたもう一つ開く予感がある。
M12. 北斗七星
アルバムのラストを飾るのは、デビュー前の高校時代に作ったという彼女の原点の歌。生後間もなく亡くなった兄への思いを込めた、彼女自身にとっても大切な一曲となっている。タイトルの「北斗七星」は、一年中いつでも夜空に浮かぶ星の象徴。童謡「きらきらぼし」のメロディをイントロに引用し、彼女のルーツでもあるブルースやロックのテイストを活かしたピアノ主体のバラードだ。夜空を見上げ大切な人を思い浮かべた人なら誰しも思いを重ねられるものだと思う。変化を刻み込んだアルバムになったからこそ、その最後に変わらないルーツを示すことに大きな意味があったのだろう。
テキスト 柴那典